プロトロンビン時間(PT)

PTは、血液凝固因子と呼ばれる、血液を固める作用のあるたんぱく質に関連した検査値です。

血液凝固因子は、現在13種類見つかっていますが、そのほとんどは肝臓で作られます。
したがって、肝機能が低下すると、血液中の血液凝固因子が減少して、血液が固まるのに時間がかかるようになります。

プロトロンビンは血液凝固因子の第II因子で、トロンボプラスチンという物質を加えると固まります。そこで血漿にトロンボプラスチンを加え、固まるまでの時間を測定したものが、PTです。

プロトロンビンの減少はアルブミンよりも早期に起こるので、急性肝炎時の重症度の判定にも使われます。なお、PTの測定値の表示には、凝固時間(秒)のほかに、プロトロンビン比(検体凝固時間/対照凝固時間)、活性値(%)などがあります。

基準値(正常値)と、基準値外(異常値)の場合に疑われる病気

項目 基準値 疑われる病気
プロトロンビン 時間 凝固時間: 10~13秒
プロトロンビン比: 0.9~1.1
プロトロンビン活性: 70~140%
高い(長い) 場合 重症肝障害、閉塞性黄疸、ビタミンK欠乏、DICなど
※経口抗凝固薬(ワルファリンなど)を服用しているときにもPTの延長がみられます。