ALPはリン酸化合物を分解する酵素で、肝臓や腎臓、腸粘膜、骨などで作られ、肝臓で処理されて胆汁中に流れ出ます。
胆石や胆道炎、胆道がんなどで胆道がふさがれて胆汁の流れが悪くなったり(胆汁うっ滞)、肝臓の機能が低下すると、胆汁中のALPは逆流して血液中に流れ込みます。
ALP値は、胆汁うっ滞では大きく上昇しますが、急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変などではあまり大きな上昇はみられないため、黄疸が現れた場合、その原因が肝臓にあるのか、胆道にあるのかを特定するのに有効です。
AST(GOT)やALT(GPT)は、逆に肝炎などで大きく上昇し、胆汁うっ滞ではさほど上昇しないので、両者の検査値を比較することで、さらにわかりやすくなります。
なお、骨の成長とも関連しているため、成長期にある小児や思春期には、ALP値は成人よりも高い値を示します。
項目 | 基準値 | 疑われる病気 |
ALP | 50~350 IU/mL | 高値:肝内胆汁うっ滞、閉塞性黄疸、転移性肝がん、薬剤性肝障害など |