原因

C型肝炎ウイルス(Hepatitis C virus;HCV)が原因で肝臓に炎症が起こる病気です。

C型肝炎ウイルス(HCV)とは

ウイルスは自分自身を複製するための設計図である遺伝情報(DNAまたはRNA)とたんぱく質からなる生物です。
生きた細胞(宿主)に感染して初めて増殖することができ、HCVの宿主は人の肝細胞になります。

HCVは、直径約50nm(ナノメーターは1mの10億分の1)で、中心に遺伝情報を保存しているRNAを持ち、その周りを芯(コア:core)、さらにその周りを2種類の外殻(エンベロープ:envelope)が取り囲んでいます。
HCV遺伝子の本体は一本鎖のRNAで、ウイルスの構造たんぱく(芯、外殻)をつくる領域(C、E1、E2)と、構造たんぱくの合成を手助けする酵素(プロテアーゼやポリメラーゼなど)などをつくる領域(NS2~NS5B)から構成されています。

現在、これらのウイルスたんぱくを直接標的にするNS3プロテアーゼ阻害剤、NS5A複製複合体阻害剤、NS5Bポリメラーゼ阻害剤などの効果の高い治療薬が開発中であり、その一部は既に臨床使用されています。