母親がHCVに感染していると、出産のときに産道で血液を介して赤ちゃんに感染することがあります。
それを母子感染といい、その可能性は5~10%程度とされています。
感染経路の多くが母子感染によるB型肝炎ウイルスとは異なり、HCVでは母子感染は多くはありません。母子感染でHCVが赤ちゃんに感染しても、3歳までに約3割が自然に治ります。
自然に治らない場合には成人まで経過観察する必要があります。
C型肝炎ウイルス(HCV)は血液を介して感染します。現在感染している方のほとんどは、過去の輸血や注射が原因です。
かつてはHCVに汚染されていた血液製剤による感染もありました。
現在は、輸血や血液製剤にウイルスが混入した血液を使用しないことになっているため、これらが原因で感染することはほとんどありません。
また、医療現場での注射針の使い回しも行われることはなく、最近ではピアスの穴あけや医療現場での針刺し事故などによる感染がみられます。HCVはB型肝炎ウイルスより感染力は弱く、性交渉や体液で感染することはほとんどありません。
垂直感染 | 出産時の母子感染(少ない) |
水平感染 | 覚せい剤、麻薬の注射、入れ墨、ピアスの穴あけ、出血を伴う民間療法、感染者からの輸血、臓器移植、感染者との性交渉(まれ)、カミソリや歯ブラシの共用 |
HCVは、血液や血液がまじった体液を介して感染します。空気感染、経口感染することはありません。
したがって、ご自身の血液や体液が直接または間接的に他人につかないよう注意をしていれば、日常生活の場で感染の危険性はほとんどありません。