B型肝炎についてのQ&A

B型肝炎について

平成26年B型慢性肝炎の治療ガイドライン(厚生労働省研究班)を説明してください。

Q
A

B型慢性肝炎の治4ガイドラインでは、35歳を境として推奨される治療法が異なるのが特徴です。

35歳未満

治療開始基準 治療戦略
HBV DNA量 ALT値
HBe抗原陽性1) ≧ 4 Log
コピー/mL
≧ 31
IU/L
  1. Peg-IFNα2aまたはIFN投与2)
    (24~48週)
    • 特にALT値>5ULNは第一選択、ただしHBV DNA量が7 Logコピー/mL以上の方は、エンテカビルまたはテノホビル DFの先行投与も考慮する3)
  2. エンテカビルまたはテノホビル DF
    • ALT低値の方に適応。特に線維化が進行している方(血小板15万未満or F2以上)には第一選択。
HBe抗原陰性 ≧ 4 Log
コピー/mL
≧ 31
IU/L
  1. Peg-IFNα2a(48週)
    • HBV DNA量が7 Logコピー/mL以上の方は、エンテカビルまたはテノホビル DFの先行投与を考慮する3)
    • 線維化が進行している方(血小板15万未満 or F2以上)には、最初からエンテカビルまたはテノホビル DF。
  2. エンテカビルまたはテノホビル DF
陽性/陰性
肝硬変
≧ 2.1 Log
コピー/mL
  1. エンテカビルまたはテノホビル DF4)
    (代償性・非代償性)
    • HBV DNA量が2.1 Logコピー/mL以上の状態が持続する場合は、ALT値が31IU/L未満でも治療対象となる。
1) HBe抗原陽性の方は、6~12ヵ月間経過観察し自然経過でHBe抗原のセロコンバージョンがみられなければ治療を考慮。
2) IFN自己注射が可能な方は、QOLを考慮して在宅自己注射を推奨する。
3) 高ウイルス量(7 Logコピー/mL以上)の方は、IFNの効果は限定的であり、まずエンテカビルまたはテノホビル DFを投与し、ウイルス量を十分に抑制した後にPeg-IFNに切り替えることを考慮する。
4) 非代償性肝硬変ではテノホビル DFで乳酸アシドーシスを来すことがあり定期的フォローが必要。

35歳以上

治療開始基準 治療戦略
HBV DNA量 ALT値
HBe抗原陽性 ≧ 4 Log
コピー/mL
≧ 31
IU/L
  1. エンテカビルまたはテノホビル DF1)
  2. Peg-IFNα2aまたはIFN長期投与
    (~48週)
    • ジェノタイプ A, BではIFNの感受性が高く、投与可能な方にはIFN(Peg-IFN)製剤の投与が好ましいが、7 Logコピー/mL以上の方ではエンテカビルまたはテノホビル DF単独あるいはこれらを先行投与後にIFN(Peg-IFN)を選択。
HBe抗原陰性 ≧ 4 Log
コピー/mL
≧ 31
IU/L
  1. エンテカビルまたはテノホビル DF1)
  2. Peg-IFNα2a(48週)
    • ジェノタイプ A, BではIFNの感受性が高く、投与可能な方にはIFN製剤の投与が好ましい。
陽性/陰性
肝硬変
≧ 2.1 Log
コピー/mL
  1. エンテカビルまたはテノホビル DF1)
    (代償性・非代償性)
    • HBV DNA量が2.1Log コピー/mL以上の状態が持続する場合は、ALT値が31IU/L未満でも治療対象となる。
1) HIVを合併している方は、エンテカビルの使用によりHIV耐性ウイルスが出現する可能性があるため、テノホビル DFを投与する。

現在、 ラミブジン単剤により治療中のB型慢性肝炎患者さんに対する核酸アナログ製剤治療ガイドライン

ラミブジン治療 治療戦略
HBV DNA量 VBT2)
<2.1 Logコピー/mL持続1) 原則エンテカビル0.5mg/日あるいは
テノホビル DF300mg/日に切り替え
≧ 2.1 Logコピー/mL なし エンテカビル0.5mg/日あるいは
テノホビル DF300mg/日に切り替え
あり エンテカビル+テノホビル DFまたは
ラミブジン+テノホビル DF併用療法3)
1) 持続期間は、6ヵ月以上を目安とする。
2) VBT:ウイルス学的ブレイクスルー(HBV DNA量が最低値より1 Logコピー/mL以上の上昇)
3) テノホビル DF併用療法を長期に行うと、腎機能の悪化や病的骨折を起こす可能性があることから、注意を要する。

現在、エンテカビル単剤により治療中のB型慢性肝炎患者さんに対する核酸アナログ製剤治療ガイドライン

ラミブジン治療 治療戦略
HBV DNA量 VBT2)
<2.1 Logコピー/mL持続1) 原則エンテカビルの継続投与
≧ 2.1 Logコピー/mL なし 3年以上経過しても≧ 2.1 Logコピー/mLの方はテノホビル DFに切り替えも可
あり エンテカビル耐性が存在する場合は
ラミブジン+テノホビル DF併用療法あるいはエンテカビル+テノホビル DFを併用する。
1) 持続期間は、6ヵ月以上を目安とする。
2) VBT:ウイルス学的ブレイクスルー(HBV DNA量が最低値より1 Logコピー/mL以上の上昇)
テノホビル DF : テノホビルジソプロキシルフマル酸塩

平成25年度厚生労働省厚生科学研究費肝炎等克服緊急対策研究事業(肝炎分野)
科学的根拠に基づくウイルス性肝炎診療ガイドラインの構築に関する研究班
平成26年B型C型慢性肝炎・肝硬変治療のガイドライン