肝炎とは

ウイルス性肝炎は国内最大級の感染症で、肝炎ウイルスに感染している人は300万人~370万人にのぼる(日本人の約40人に1人)と推計されています。

現在、がんによる死因で3番目に多いのは、肝がんですが、原因の約80%はB型・C型のウイルス性肝炎で、約15%がB型肝炎由来です。

原因がはっきりしているので、肝がんは予防が可能ながんの一つといわれています。

B型肝炎とは?

成人になってB型肝炎に感染すると、肝臓の細胞が破壊されて肝臓の働きがわるくなることがあります。ただし、ほとんどの場合、一過性で自覚症状もでにくいため、気づかないうちに、終息します。

まれに、劇症肝炎など、症状が重くなることがあるため注意が必要です。

一方、3歳までの乳幼児期にB型肝炎に感染すると持続感染(キャリア)になります。肝炎を発症しない無症候性キャリアの方が9割を占めますが、1割の方では肝炎を発病し、肝硬変や肝がんへ進展します。

感染の仕方やウイルスのタイプによって、病気の進行の仕方に違いがあることがわかっています。

C型肝炎とは?

C型肝炎はC型肝炎ウイルスによって感染して起こる病気です。 C型肝炎は慢性化しやすくC型肝炎ウイルスに感染した人の約7割が慢性肝炎を発症し、放置しておくと肝硬変、肝がんへと進展することがあります。

日本の肝がんの原因でもっとも多いのがC型肝炎で、約7割を占めます。 患者さんの半数以上は50歳以上で、男性のほうが女性より病気の進行が早い傾向にあり、女性は男性より10年から20年遅れて病気が進行します。

肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、自覚症状がないまま病気が進行してしまいます。

早期に一度、肝炎ウイルスへの感染の有無を調べて、感染が分かった場合は、必要な定期検査や適切な治療を実施すれば、肝硬変・肝がんの発症を予防することができます。

肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査で調べることができます。採血は短時間で済み、数週間で検査結果が出ます。

今まで肝炎ウイルス検査を受けたことがない方は、早期に一度、肝炎ウイルス検査を受けましょう。