総たんぱく(TP)

血液中には、100種類以上のたんぱく質が存在しますが、血液中のすべてのたんぱく質の総和が、TPです。

主成分はアルブミン(70%)とγ-グロブリン(20%)で、これらはそのほとんどが肝臓で産生されます。したがって、肝臓に障害が起こるとこれらのたんぱく質の合成能が低下して、TPは減少します。

また腎臓病などにより体外に漏れ出てしまう場合や、低栄養状態でも、TPは減少します。ただし脂肪肝などでは、アルブミンの合成量は減少するものの、グロブリンの合成量が増加して、TPは変化しない場合もあります。

TPの増減はさまざまな理由で起こるので、TPを測定するだけで病気の診断を決定することはできませんが、病気があるかどうかのふるい分けにはよい指標となります。

基準値(正常値)と、基準値外(異常値)の場合に疑われる病気

項目 基準値 疑われる病気
TP 6.5~8.2 g/dL 高い場合 自己免疫性肝炎、過栄養性脂肪肝、多発性骨髄腫など
低い場合 肝硬変、肝がん、ネフローゼ症候群、低栄養状態など