PIVKA-IIは異常な血液凝固因子(凝固因子プロトロンビンの前駆体)です。
健康な方の血液中には存在せず、ビタミンKの欠乏時や、肝障害、肝細胞がんなどのときに血液中に出現します。
PIVKA-IIは、肝細胞がんでは50%以上の陽性率を示しますが、肝硬変での陽性率は10%以下で、肝がんと肝硬変との鑑別にも有用です。
PIVKA-IIは、もう1つの腫瘍マーカーであるAFPとの関連性がなく、AFPが陰性の肝細胞がんでも陽性を示すので、AFPとPIVKA-IIを組み合わせて検査を行うことにより、肝細胞がんの診断がより正確になります。
ただし、ビタミンKが不足している方や、ワーファリンなどの抗凝固剤を服用したとき、アルコール多飲でも検査値が上昇します。
項目 | 基準値 | 疑われる病気 |
PIVKA-Ⅱ | 1 μg/mL未満(ラテックス凝集法) 40 mAU/mL未満(ECLIA法) |
高値:肝細胞がん、ビタミンK欠乏症など |