画像検査

① 超音波検査

肝がんの有無を確認したり、肝臓の脂肪蓄積の状態、慢性肝炎肝硬変の鑑別のためなどに行われます。腹部の表面に超音波の発信機を近づけ、内臓に反射して返ってくる超音波をとらえて内臓の状態を画像として映し出す検査法です。手軽にでき、患者さんの負担が少ないので、画像検査としては最初に行われます。
がんの広がりを調べるのに静脈注射や点滴で造影剤を注入して検査する場合もあります。最近は2cm以下のがんも発見することが可能になっています。

② CT検査

X線を照射する装置を回転させながら、得られたX線吸収値をコンピュータで処理してからだの横断面を撮影する検査です。最新の装置は0.5mm厚の画像を1秒間に200枚近く撮影することができ、1cm以下の小さながんを発見することができます。病変の血流や内部の状態をより詳しく調べるために、造影剤を急速に静脈注入して時間を追って撮影する「ダイナミックCT」という検査法もあります。

③ MRI検査

MRI検査はきわめて強い磁石を用いてからだの中の水素原子核を画像化する検査法です。X線を使用しないためX線被ばくがなく、撮影した組織のコントラストが優れているなどの利点があります。通常はCT検査で診断がむずかしい場合などに行われます。強い磁石を用いるため、体内に金属を埋め込んでいる方は検査できない場合があります。

④ 血管造影検査

カテーテルという細い管を大腿動脈などの太い血管から挿入し、肝臓の血管に造影剤を注入してCTでX線撮影する検査です。がんの広がりがわかり、がん治療の手術などを検討する際に行われます。1時間から1時間半程度かかり、通常は入院して行われます。