C型肝炎ウイルスに感染すると

C型肝炎ウイルス(HCV)に感染した後の経過には、急性肝炎を発症する場合(顕性感染:症状があらわれること)と、自覚症状がない場合(不顕性感染)があります。

急性肝炎とは、肝細胞に炎症が起き、一時的に症状が悪化するものの、数ヵ月以内に治癒する肝臓病のことです。感染後、数ヵ月の潜伏期間を経て、“倦怠感”、“食欲不振”、“吐き気”などの症状があらわれます。
その後、皮膚や眼球の白い部分が黄色くなる“黄疸”があらわれることもあります。黄疸は自然に消え、肝機能も正常に戻ります。

一過性感染

急性肝炎を発症した場合も、不顕性感染の場合も、ウイルスが自然に排除されると、免疫を獲得して再びHCVに感染することはありません。

急性肝炎の症状

持続感染

持続感染は、感染したウイルスが、からだから排除されず肝臓の中にすみつくことで、一部の方は慢性肝炎を発症します。 慢性肝炎とは、通常6ヵ月以上肝炎が続いている状態を指します。
C型肝炎の進行は肝臓の線維化の程度によって、F1(軽度)からF4(肝硬変)に分けられます。

C型肝炎はゆっくり進行し、次の段階に進行するのに5~10年かかるとされています。
しかし着実に進行し、1年間に肝がんが発症する割合は、段階が進むほど高くなることがわかっています。

日本肝臓学会編:慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2011, p28より作図

早めに治療することが大切!!